CASE
中小企業のAI事例・実績
農業法人|AI画像解析で収穫判断を標準化し、上位等級率15%向上
トマトの生育状態、病害虫の兆候、収穫時期の判断が熟練者の経験に依存し、経験の浅いスタッフは判断に迷っていました。収穫の遅れによる品質低下や、病気の発見が遅れて被害が広がるリスクもありました。
アスタは、ハウス環境データと作物画像を整理し、AIが果実の色・大きさから収穫適期を判定するとともに、葉の変色など病害虫の兆候を通知する仕組みを構築しました。判断を現場で共有できるようになり、上位等級率は15%向上しました。
この事例のポイント
- 環境データと日々の作物画像を組み合わせて分析
- 収穫適期と病害虫兆候をタブレットへ通知
- 上位等級率15%向上と安定した収量を両立
クライアント概要
抱えていた課題|熟練者の目がなければ、収穫と防除の判断が揺らぐ
AI導入前に確認したのは、表面上の作業時間だけではありません。判断がどこに集中し、現場や顧客、経営へどのような影響が広がっているかを整理しました。
収穫適期の見極めが経験に依存していた
果実の色や大きさを見て収穫時期を決める判断は、言葉だけでは伝えにくいものでした。経験の浅いスタッフでは判断が遅れ、品質や出荷タイミングに影響する可能性がありました。
病害虫の小さな兆候を見逃すリスクがあった
葉の変色や生育の違和感は、早期に気づけば対処できます。しかし広いハウスを毎日同じ精度で確認することは難しく、発見が遅れると被害が広がるおそれがありました。
熟練者がいない日も同じ判断をする必要があった
農作業は日々進み、判断を後日に延ばせません。必要だったのは、熟練者の感覚を置き換えることではなく、現場全員が確認できる基準へ変えることでした。
アスタの支援内容|データと現場運用を一つの流れにする
アスタは、AIツールを入れることだけを目的にせず、現在の業務、利用できるデータ、導入後に人が確認する範囲を整理しました。そのうえで、AIの出力が日々の具体的な行動へつながるよう、次の流れで仕組みと運用を整えています。
1.栽培判断に使う情報を整理
熟練者が何を見て収穫や防除を判断しているかを確認し、環境データ、作物画像、収穫実績の関係を追えるように整理しました。
本事例では、次の情報を判断材料として整理しました。
- 温度・湿度・日射量・CO2濃度
- 葉の色、果実の赤み・大きさがわかる作物画像
- 過去の収穫量と品質実績
2.毎日の作物画像を蓄積
カメラで果実や葉の状態を継続的に撮影し、同じ条件で比較できる画像を蓄積します。単発の写真ではなく、変化を追えるデータとして扱いました。
3.収穫適期と異常兆候をAIで判定
AIが果実の色と大きさから収穫適期を判断し、葉の変色や病害虫の兆候も検知します。人がすべての株を同じ精度で見続ける負担を補います。
4.タブレット通知から現場作業へ接続
判定結果をタブレットへ通知し、スタッフが対象を確認して収穫・防除を行う流れを整えました。AIの出力を現場の具体的な行動へつなげています。

得られた成果|上位等級率が15%向上
上位等級率
15%向上
病害虫
早期対応
収量
安定を維持
適切な時期に収穫できるようになり、上位等級に入るトマトの割合は15%向上しました。病害虫の兆候にも早く対応でき、農薬の使用を抑えながら安定した収量を維持しています。
経験の浅いスタッフも、通知を基準に対象を確認して作業できるようになりました。AIの判定と現場確認を組み合わせ、品質判断をチームで共有できる運用にしたことが、栽培の安定につながっています。
ご担当者様の声
「経験の浅いスタッフでも、AIの指示通りに動けば高品質なトマトが収穫できる。病気のリスクも減り、経営が非常に安定した。」
農業法人で検討できるAI活用テーマ
農業では、生育、環境、防除、収穫、出荷、作業計画が互いに影響します。圃場・品種ごとの差を踏まえ、現場で確認できる小さなテーマからデータを蓄積することが大切です。

アスタは特定のAIツールを導入することから始めず、経営課題と現場業務を確認し、効果を見込めるテーマを整理します。小さく試したうえで、データ、確認手順、担当者の役割まで整え、現場で使われる状態へ伴走します。
関連するサービス・コラム
業務の棚卸しからAI活用テーマを整理し、現場で使える仕組みと運用へつなげる支援です。
ツール導入だけで終わらせず、課題整理から定着まで進める考え方を解説しています。
AI活用を成果につなげるために、どのデータをどのように整えるべきかを紹介しています。
「自社にも似た課題があるが、どこからAIを使えるかわからない」「データはあるものの、実務へつなげられていない」という場合は、現在の業務と判断の流れを整理するところからご相談ください。
