金属加工業|AI外観検査で不良品流出をほぼゼロへ

金属加工・部品製造業のAI活用支援事例

最終工程の外観検査を熟練者の目視に頼っており、疲労による見逃しや品質のばらつきが課題でした。検査員の高齢化と人手不足も進み、技能継承と生産能力の両方に不安を抱えていました。

アスタは、良品画像と過去の傷・欠け・変色などの不良画像を整理し、ライン上のカメラでAIがリアルタイム判定する仕組みを構築しました。不良品を自動排除し、新しい不良パターンも継続学習する運用により、不良品の社外流出をほぼゼロ、検査人員を5名から1名へ見直しました。

この事例のポイント

  • 良品・複数の不良パターンを画像データとして整理
  • ライン上で判定し、不良品を自動排除
  • 不良流出ほぼゼロと検査人員5名から1名を実現

クライアント概要

業種金属加工・部品製造業
企業規模従業員60名
対象部門製造・品質管理部門
主な課題最終外観検査が熟練者に依存し、見逃しと検査員不足が課題だった
支援テーマ良品・不良品画像の学習、ライン上のリアルタイム判定、自動排除

抱えていた課題|目視検査の品質と人員を、同時に維持できない

AI導入前に確認したのは、表面上の作業時間だけではありません。判断がどこに集中し、現場や顧客、経営へどのような影響が広がっているかを整理しました。

疲労による見逃しを避けられなかった

同じ製品を長時間見続ける目視検査では、熟練者でも集中力の変化が生じます。微細な傷や欠け、変色の見逃しがクレームにつながる可能性がありました。

検査員の高齢化と人手不足が進んでいた

品質を守るために複数の検査員を配置していましたが、経験者の確保が難しくなっていました。検査工程が生産量を制約し、人員を他工程へ振り向けられない状態でした。

検査基準を若手へ伝えにくかった

不良の見え方は種類によって異なり、文章の基準書だけでは再現しにくい部分があります。必要だったのは、熟練者の判断を画像と判定条件に変え、同じ基準で繰り返せる検査でした。

アスタの支援内容|データと現場運用を一つの流れにする

アスタは、AIツールを入れることだけを目的にせず、現在の業務、利用できるデータ、導入後に人が確認する範囲を整理しました。そのうえで、AIの出力が日々の具体的な行動へつながるよう、次の流れで仕組みと運用を整えています。

1.不良の種類と判定基準を整理

現場で扱う傷、欠け、変色などを分類し、どの状態を不良とするかを品質管理担当者と確認しました。判定に必要な撮影条件も合わせて整理しています。

本事例では、次の情報を判断材料として整理しました。

  • 数千枚の良品画像
  • 傷・欠け・変色など過去の不良品画像
  • 撮影条件・判定しきい値などの検査パラメータ

2.良品・不良品画像を学習データ化

数千枚の良品画像と過去の不良品画像をそろえ、AIが違いを学習できる形へ整えました。数量だけでなく、不良の種類と画像の偏りを確認しています。

3.ライン上でリアルタイム判定

生産ラインにカメラを設置し、通過する製品をAIが連続判定します。人が製品を一つずつ取り上げて確認する工程を減らし、判定速度を生産へ合わせました。

4.自動排除と継続学習を運用

不良と判定した製品を自動でラインから除外し、人が最終確認します。新しい不良パターンが見つかった際はデータへ追加し、検査精度を維持する運用を整えました。

検査基準整理から自動排除までの支援フロー
課題整理から現場運用・改善までを一つの流れとして設計

得られた成果|不良品流出ほぼゼロ、検査人員5名から1名へ

不良品流出

ほぼゼロ

検査人員

5名→1名

生産能力

向上

同じ基準で連続判定できるようになり、不良品の社外流出はほぼゼロになりました。検査品質のばらつきが抑えられ、取引先からの信頼向上にもつながっています。

検査員は5名から、最終確認とシステム監視を担う1名へ見直され、他のスタッフを生産工程へ配置できました。判定だけを自動化せず、排除・最終確認・再学習までを工程として設計したことが、生産能力の向上につながっています。

ご担当者様の声

「品質のばらつきがなくなり、取引先からの信頼が厚くなった。検査員の人手不足問題も一気に解消され、経営上の大きな不安が消えた。」

金属加工・部品製造業で検討できるAI活用テーマ

製造業では、検査に加えて設備、生産計画、技能継承、在庫、原価にも活用余地があります。品質責任と停止時の対応を明確にし、現場で検証できる工程から進めることが重要です。

金属加工・部品製造業で検討できるAI活用テーマの全体像
濃紺部分が本事例の実施領域。その他は今後検討できる代表的な活用テーマです。

アスタは特定のAIツールを導入することから始めず、経営課題と現場業務を確認し、効果を見込めるテーマを整理します。小さく試したうえで、データ、確認手順、担当者の役割まで整え、現場で使われる状態へ伴走します。

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