中小企業のAI導入事例7選!AI導入のコツとともに徹底解説

中小企業でもAI活用が進み、生産性向上や人手不足の解消、売上アップにつながる事例が増えています。一方で、「自社でも導入できるのか」「費用や効果はどれくらいか」といった不安や疑問を抱える企業も少なくありません。
この記事では、中小企業のAI導入事例を7つ紹介し、成功のポイントや導入時の注意点まで解説します。自社に最適なAI活用のヒントを得たい方は、ぜひ参考にしてください。
中小企業のAI導入事例7選
AIの導入に成功している中小企業がどの業務にAIを活用し、どのように成果を上げたのかを学ぶことで、自社に適した導入ポイントや効果のイメージを掴むことが可能です。
ここでは、製造・小売・飲食など多様な業種から7つの事例をピックアップし、AI活用の工夫や成果を紹介します。
中小企業のAI導入事例
- 城南電機工業
- 株式会社カブク
- ゑびや
- 墨田加工株式会社
- 株式会社山本金属製作所
- 株式会社グッデイ
- 鶏ポタTHANK
自社の事業領域と近い事例を参考にし、スムーズに導入を進めるのに役立ててみてはいかがでしょうか。
城南電機工業
自動車用照明機器の製造販売を展開している「城南電機工業」では、製品ごとの受注予測にAIを活用しています。導入前は最大52%だった誤差率が24%まで改善し、予測精度が大幅に向上しました。これにより、顧客の発注予定数と実際の納入数のズレが減少し、余剰在庫や欠品のリスクを大幅に軽減しています。
城南電機工業の取り組みは、社内の課題を明確化し、試行錯誤を重ねながら短期間で成果を生み出した、AI導入の成功例といえるでしょう。
株式会社カブク
オンデマンド受託製造サービスを提供する「株式会社カブク」では、3Dプリンタを利用したい企業と委託製造業者をAIでマッチングする「Kabuku CONNECT」を導入しています。Kabuku CONNECTにより、最適な委託先の選定や稼働率の向上を実現し、通常2年かかるEV部品の量産化を約1.5か月へと大幅に短縮できたなど、AIによって事業展開するスピードが飛躍的に向上しています。
最適な製造パートナーをAIで自動選定し、業務効率と製造スピードを向上させた本事例は、多くの製造業にとって応用可能なAI導入の成功例といえるでしょう。
ゑびや
伊勢神宮近くで飲食店を運営する「大衆食堂ゑびや」では、来客数予測にAIを活用しています。天候・周辺宿泊状況・時間帯別来客数といった多様なデータをAIが分析し、95%の精度で需要を予測する仕組みを構築しました。その結果、売上は5倍、利益率は10倍に向上し、食品ロス削減やスタッフ配置の最適化にも大きく寄与しています。
コロナ禍における混雑予測にも活用されるなど、自社の課題を見極めながら導入を成功へ導いた好例といえるでしょう。
墨田加工株式会社
プラスチック加工事業を展開している「墨田加工株式会社」では、月約4,320個におよぶ製品検査にAIを導入しています。これまで2名で3日かけていた目視検査の一部をAIが自動化したことで、検査時間を月36%削減しました。さらに、業務負担の軽減や検査精度の安定、技術継承の促進など、中小企業が抱えがちな複数の課題解決にも貢献しています。
導入費は約15万円、導入期間も約70日と比較的少ない負担で実現しており、社内にデータやIT人材がいない状態でも成功したことから、中小企業におけるAI導入のロールモデルとして参考にしたい事例です。
株式会社山本金属製作所
精密切削加工などで精密機械の部品を製造している「株式会社山本金属製作所」では、切削加工時の異常検知や工具寿命予測にAIを活用しています。加工音・振動・温度といったリアルタイムデータをAIが分析し、設備の異常や加工不良の兆候を早期に把握できる体制を構築しました。これにより不良品率が低下し、生産性は約15%向上しています。
さらに、材料費や工具費などのコストも月25%削減され、業務効率化とコスト削減を同時に実現した事例として高く評価されています。
株式会社グッデイ
ホームセンターを展開する「株式会社グッデイ」では、仕入れや販売計画にAIによる需要予測を導入しています。従来は経験に依存した仕入れ判断が課題でしたが、過去5年分の売上データをもとにAIが最適な予測をすることで、売上は前年比124%、平均在庫は16%削減されました。
このAIの導入事例は、導入費は約10万円、導入期間も約1.5か月と低コストで、社員の満足度向上や若手社員の育成にも効果を発揮しています。限られた資金でAIを導入したい中小企業にとって、ぜひ参考にしたいモデルだといえるでしょう。
鶏ポタTHANK
ラーメン店「鶏ポタTHANK」では、来店客への接客品質向上を目的に、AIとロボットを活用した「クラウド型おもてなしサービス」を導入しています。ソフトバンクロボティクス社の「Sota」が店頭での案内や接客を担い、省人化を図りながら顧客体験の向上を実現しています。
さらに、AIによる接客データの蓄積・分析が可能で、今後のマーケティング施策にも活用できる点が特徴です。小規模店舗でも実践できる、AI活用の好事例といえるでしょう。
なぜ中小企業こそAI導入が効果的なのか?導入事例から見えるメリット3選
中小企業は、人材不足や業務の属人化、品質のばらつきなど、日々の経営でさまざまな課題を抱えがちです。さまざまな要因で厳しい状況の中、AIは中小企業が抱えがちな課題を効率的に解決し、生産性向上や利益改善につながる手段として、近年大きな注目を集めています。
ここでは、そんなAI活用によって得られる代表的なメリットを、3つの視点から解説します。
導入事例から見えるメリット3選
- 品質の安定化
- 属人化の解消
- コスト削減
AI導入に悩んでいる方は、以下のメリットを把握して、自社に必要かどうか判断してみてはいかがでしょうか。
品質の安定化
墨田加工株式会社のように、AIの導入によって作業者の負担軽減と品質の安定化を両立できる点は、中小企業におけるAI活用の大きなメリットの1つです。
AIは、面接や人事評価といった属人的になりやすい業務をデータに基づいて判断し、評価基準の統一を可能にします。こうした客観的な評価体制の構築は、属人的な判断のばらつきを防ぎ、長期的な組織運営の安定にもつながります。
属人化の解消
株式会社グッデイのように、AIを導入して属人的な判断を排除し、業務の再現性を高められる点は、業務のブラックボックス化など中小企業が抱えがちなリスクへの対策として有効です。
AIは、経験や勘に頼りやすい需要予測や採用判断といった業務において、過去データをもとに一貫した判断をくだせます。こうした仕組みを構築することで、特定の担当者に依存しない体制が整い、人の入れ替わりが多い企業でも業務クオリティを一定に保つことが可能です。
コスト削減
株式会社山本金属製作所のように、AIの導入によって業務効率化とコスト削減を同時に実現できる点も、中小企業にとって見逃せないメリットです。
AIがこれまで人手に頼っていた業務の一部を自動化することで、人件費の削減や単純ミスによるロスの防止など、さまざまなコスト低減につながります。ただし、AI導入そのものにも費用がかかるため、長期的に見てコスト削減効果が期待できるかどうかを検討することが重要です。
【導入事例から学ぶ】中小企業がAI導入を成功させる3つのコツ
AI導入を成功させるには、単にツールを導入するだけではなく、事前の準備や導入プロセスの設計が成果を大きく左右します。ここでは、はじめてAIツールを導入する中小企業が押さえておきたい、AI導入を着実に成功へ導く3つのコツを解説します。
中小企業がAI導入を成功させるコツ
- 事前に導入ステップを明確にしておく
- 補助金制度を活用し初期投資を抑える
- 外部専門家と相談しながら進める
中小企業は導入予算が限られるケースが多いため、無駄な投資を避けつつ、最小コストで最大の効果を引き出す工夫が重要です。
事前に導入ステップを明確にしておく
AI導入を成功させるには、目的や課題を明確にしたうえで、段階的なステップを設計することが重要です。中小企業におすすめのAI導入手順は、以下のとおりです。
- AI導入の目的と課題を明確にする
- 自社業務を整理しAI化できる業務を明確にする
- AIツールを選定する
- 最小の範囲で試験導入する
- 効果を確認したのちに本格的に導入をスタートする
AIを導入する際は、効果を検証しながら活用範囲を徐々に広げていくことで、無駄なコストや導入時のトラブルを回避しやすくなります。
補助金制度を活用し初期投資を抑える
AI導入は高い効果が期待できる一方で、初期費用が導入の障壁になりがちです。しかし、補助金や融資制度を活用することで、導入コストを抑えつつリスクを軽減できます。
AI導入時に活用できる主な支援制度は、以下のとおりです。
- T導入補助金
- ものづくり補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- AI活用融資
とくにスモールスタートで始める際には補助金活用が有効で、資金面の不安を減らしつつ段階的にAI活用を広げることが可能です。
外部専門家と相談しながら進める
AI導入には専門知識や技術的な判断が求められるため、社内だけで進めるのが難しい場合もあります。そうした場合は、外部の専門家と相談しながら導入を進めることをおすすめします。
外部の専門家やベンダーと連携することで、業務に適したツール選定や導入プロセスの最適化が可能です。導入失敗のリスクを抑え、より実践的なAI活用につなげたい方は、課題整理や試験運用の段階から伴走してもらうとよいでしょう。
中小企業のAI導入事例に関するよくある質問
ここでは、中小企業のAI導入事例に関するよくある質問をQ&A方式で解説します。
中小企業のAI導入率とは?
Rakutenによる調査によると、日本の中小企業の約16%がAIを使用していると報告しています。

ただし「導入を検討している」「一部業務で試験的に利用している」といった「潜在的導入層」まで含めると 30%以上に上るとされ、今後数年で急速に普及が進むと予測されています。
AIの長期運用・定着を実現するためのポイントは?
AIを一時的な施策で終わらせず、長期的に活用するためには「現場への定着」と「継続的な改善」が重要です。また、社内でAI活用の目的を共有し、小さな成功体験を積み重ねることで、現場の理解と活用意欲が高まり、安定した長期運用につながります。
まとめ
中小企業におけるAI導入は、人手不足の解消や品質向上、コスト削減など、さまざまな経営課題の解決に大きく貢献します。自社に合った活用方法を見つけるためにも、この記事で紹介したAI導入事例を参考に、活用のヒントを探してみてください。
補助金制度や専門家のサポートも上手に活用しながら、無理のない形でAIを取り入れ、持続的な成長を目指しましょう。


